[感想・レビュー]12人の怒れる男を見た
12人の怒れる男の感想です。あんまりネタバレを気にせず書きます。
※そもそもバレて困るようなネタもないような映画ですが…。
さて、名作として名高い(?)「12人の怒れる男」。社会派ドラマと言われていたり、舞台が法廷だったりなんだりで小難しい話だと思っている方も多いでしょう。それ故に敬遠している方も多いでしょう。
しかし待って欲しい。
そう思っている方も、興味を一度でも持ったのなら、是非見ていただきたいと思っています。
なぜかっつーと、この作品はそんなに難しくないからです。むしろ娯楽作品と言ってもいいレベル。(褒めてます)90分と時間も短いし、難しいトリックも、伏線もありません。でも、脚本は最高。ただひたすらに演者たちのやりとりに身を任せていれば、それだけで幸せになれます。
なぜそう思うのかは、もうちょっとあとで。
ひとまずどんなお話しなのか触りだけご紹介。
こんなお話し
1957年制作の映画みたいなので、舞台はその辺りのアメリカでしょう。
とある少年が起こした殺人事件の陪審員を勤めることになった12人の男達による密室での議論の一部始終を描いたのがこの作品です。
ひと通り裁判を終えて、事実関係や各々の主張なども聞いた陪審員たちが、とある部屋の中で有罪か無罪かの審議を始めます。
審議は、満場一致の結論を出さなくてはいけません。彼らが有罪の議論を出せば、少年は死刑。電気椅子送り。
議論はひとまず置いといて、初めに多数決をとることが決まりました。ここで全員一致なら帰れるぞと期待する奴が数名。しかし実際に決を採ると、無罪を主張する男が一人だけいました。
彼は言います。「彼が本当に無罪かどうかはわからない。信じていいかどうかもわからない。でもここで私が有罪に票を入れたら、死刑が決まってしまう。人の死を5分で決めていいものか。話そう」
そこから議論が始まりました。被疑者は本当に有罪か?それとも無罪か。はたして彼らが出した結論は…。
っていうのがおおまかなプロローグでしょうか。
見た目に反して気軽に見れます
お察しの通り、議論を重ねていく中でだんだん無罪派が増えていって、最終的には満場一致で無罪の決定を下すことになります。
その判断を下すまでにどういったプロセスがあったのか、それがこの作品の肝なわけですが、そこまでの流れが驚くほどにどストレート。(最近のドラマと比べたら)たいした山も谷も、裏もありません。
議論の最初で証拠となっている理由や承認の証言などが明らかにされ、それの矛盾が突かれる度に有罪を主張していた人たちが無罪派に変わっていく感じです。
が、一度矛盾が判明すればそれが後で覆されることもないし、重要な伏線が張り巡らされていて、終り際に回収されて「Σヽ(`д´;)ノ うおおおお!」となることもありません。
これが冒頭で「この作品は難しくない」と書いた理由です。ユーザーがトリックを見抜く必要も裏を読む必要もないので、第3者として素直に作品に没頭できる。
こーいうのが良いところ
もちろんこれだけだとただの駄作ですが、ちゃんと緩い波はあります。小さい山場がいくつもあって、会話のテンポが心地良い。
小さい山場というのはズバリ矛盾が明かされるところ。90分という短い時間の中で、それを詰め込みすぎずにうまく散りばめられていると思います。間延びもせずにいい具合に盛り上がりがあり、その度に無罪に主張替えする人たちが増えていく。登場人物たちの特徴がわかる場面や見せ場も都度入っており、印象に残らない人物がほとんどいません。けっこうみんな個性的ですし。
そして面白いのが、脚本の中に「当時のアメリカ」を感じられるところです。
アメリカンジョークあり、人種差別あり、ガキっぽい言動あり、あーアメリカっぽいなとなんとなく感じられるセリフが多々あって、ある意味新鮮でした。
あと傑作なのは広告マンの性格。ことあるごとに「僕の仕事は〜」とか「広告業界では〜」なんていう話を自慢気にしだすのが面白くてやばい。昔からこうなんだーと。笑
そんな感じで、たいした起伏のないストーリーですが、やりとりに耳を傾けてるだけであっとう言う間に観終わってしまいます。
練られたストーリーに触れまくっている現代人には物足りないかもしれませんが、だからこそたまにはこういうのを見なよっていう気もします。
見ればきっと、映画は金かけなくても面白くなるもんなんだなーって、思うはず。
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